書評「正しいものを正しくつくる」プロダクトづくりに関与する人たちにおすすめしたい

書評「正しいものを正しくつくる」プロダクトづくりに関与する人たちにおすすめしたい

Clock Icon2019.10.15

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みなさんプロダクトづくりしてますか?

プロダクトグループのさかいゅです。
自分自身、自社開発のプロジェクトを担当しており、アジャイル開発やプロダクトづくりのプラクティスを学習したいと思い、本書を読ませていただきました。 実は以前にカイゼン・ジャーニーも読ませていただき、学びが多かったので、本書を読ませていただいたのかもしれません。 特に良かったと思った点を自分自身の意見・感想とともに、書かせていただきます。

「正しいものを正しくつくる」について

正しいものを正しくつくる

著者

市谷 聡啓

目次

  • イントロダクション 正しいものを正しく作れているか?
  • 第1章 なぜプロダクトづくりがうまくいかないのか
  • 第2章 プロダクトをアジャイルにつくる
  • 第3章 不確実性への適応
  • 第4章 アジャイル開発は2度失敗する
  • 第5章 仮説検証型アジャイル開発
  • 第6章 ともにつくる
  • あとがき

イントロダクション 正しいものを正しく作れているか?

「正しいものを正しく作れているか?」 正解がない世界では、自分たちがやっていること、向かっている方向が、誤っていないか問い続けるしかない。状況を漸次的に進めることから学びを得て、それに適応し、また漸進する。これが、不確実性の高いプロダクトづくりで求められることだ。

少しずつ進めて学びを得る。その学びを適用し、また少し進めて学びを得る。ということを繰り返し実行していくことで、不確実性の高いプロダクトづくりを進めていく。最初にすべてを計画して、進めていくよりも、学びを適用しながら進む方向を変えていくほうが、正解により近づけるだろうと思います。とても共感できたフレーズです。

第1章 なぜプロダクトづくりがうまくいかないのか

技術やプロセス、コミュニケーションも進歩しているのに、なぜプロダクトづくりがうまくいかないのかが書かれています。
特に印象に残った部分は、正解はわからないがなんとか形に仕立てていくを開発しているリモートワークを考慮した開発という部分が、印象に残りました。自分自身もそうですが、リモートワークを利用してプロダクトづくりをしています。その中でチームとして成果を上げていくにはどうすればよいか?というのを日々考えながらプロダクトづくりを進める必要があると改めて考えさせられました。

第2章 プロダクトをアジャイルにつくる 〜 第3章 不確実性への適応

アジャイル開発とはなにか?その中でもスクラムについて、詳しく解説されています。これからスクラムを実践したい人、実践してみたけどあまりうまくいかなかった人など、とても学びが多い章となります。

「何をしなければならないか」というのは考える起点にありがちだが、それを「何のためにやるべきなのか」が見落とされてしまうこともよくある。手段が目的となってしまい、…

○○機能を実装するというタスクがあった時に、○○機能を期限までに完成させることをゴールにしてしまいがちです。自分もよくこのように考えてしまいます。何のためにその〇〇機能は必要なのか?ということを考えて実装したい(するべき)ですよね。

1回1回のスプリントをやり切り、小さくとも少しずつ成果を上げていくようにする(成果として捉えるようにする)と、チームの士気も上がる。

成果を上げようとしても、なかなか上げられないという状況もあるかと思います。成果を上げられない状況が続くと、個人としてもチームとしても、士気が下がってしまいますよね。そういう状況にしないために、小さくとも成果として捉えるようにする
すごく納得できました。

理想を追う限り、「問題がない」はない。

ふりかえりを実施し、カイゼンを続けることが大事ですよね。ふりかえりの手法としては、世の中にたくさんありますが、本書では「Start, Stop, Continue」という3つの観点でフィードバックを行う手法が紹介されています。自分自身もこれまでふりかえりは実施してきました。手法としては主にKPT(Keep, Problem, Try)が多かったのですが、現状のプロジェクトでは、違う手法で実施しています。色々な手法を試してみて、チームに合った手法を見つけるのも、おもしろいかもしれませんね。

第4章 アジャイル開発は2度失敗する 〜 第5章 仮説検証型アジャイル開発

開発チームにミッションの境界線(自分たちの役割は作るところまで)の認識がある限り、プロダクトづくりはそれ以上進展しない。

とても共感できる反面、これまで関わってきたプロジェクトは境界線があったなぁと思います。特に受託開発だと受託している範囲を、品質良く開発することがゴールになってしまう傾向が強いと感じます。苦労してつくったプロダクトが、間違った(あまり意味のない)プロダクトだと、せっかくつくったのに…となってしまいますよね。そうならないようにしたいですね。

「正しくないものを作らない」

正しいものはなんなのか?と考えた時に、自分の場合は正しいものを探します。ですが、プロダクトづくりにおける仮説検証の戦略としては、正しくないことを「除外」することで、結果的に正しさを残していくという真逆の考え方でした。読みながら「あっ!なるほど!」と思いました。

第6章 ともにつくる

越境のためのコマンド(上上下下左右左右過去未来)

最初見た時、ゲームの裏技かと思いました。これは、視野と視座の切り替えと時間軸の切り替えのコマンドです。

まとめ

プロダクトづくりは、本当に難しいですよね。その難しさに向き合うために、色々なプラクティスがありますが、プラクティス通りにチームでやったからといって、必ずうまくいくわけではありません。 やり方を少しカスタマイズしたり、違うやり方を取り入れたり…と工夫が必要ですよね。 また、正解がわからない中、プロダクトづくりをしていると、合っているんだろうか…と不安を抱えながらのプロダクトづくりとなってしまいます。

  • プロダクトづくりがうまくいかない
  • プロダクトづくりに不安を抱えている
  • アジャイル開発を実践したい

そういったプロダクトづくりに関与している人たちに、ぜひ本書を読んでほしいと思います。

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